インターネットが登場してから30年が過ぎ、いまやインターネットは日常生活のあらゆる分野で使われるものとなっています。誰もがスマートフォンを持っていることが「当たり前」とみなされるようになって久しく、さらに新型コロナウイルスのパンデミックを契機に、官民とも「非対面・非接触」で情報のやりとりする方向へ進んでいます。
今日、私たちは、各人がインターネットを使うことができるということを前提とした社会に向かっています。各人が情報端末を保有し、インターネット回線を契約し、そしてそれを使いこなして必要な情報の送受信を行うことが、半ば強制されつつあります。
いつか来た道――そう、これは車社会化に類似しています。郊外型の店舗が増え、公共交通機関が縮小し、地域によっては車なくして通勤・通学や買い物がままならない状態に置かれることもあります。このままだと、インターネットなくして日常生活がままならない社会、いわば「インターネット社会」というべきものになってしまう危険性があります。
排気ガスを撒き散らしながら進み、人にぶつかれば生命をも奪いかねない自動車と違い、インターネットはその「負の側面」が見えにくいものです。また、情報端末の操作や利用方法も、容易に習得できるものと思われがちです。
しかしながらインターネットは、自動車にも劣らない危険性をはらんでいます。個人情報保護やプライバシーの問題、インターネット依存症、いわゆる「炎上」、犯罪への悪用など、ひとつひとつ解説していたらそれだけで分厚い本になってしまいそうです。また、端末の操作は慣れない人にとっては相当に難しく、またインターネット上には悪意によってつくられたわなや虚偽情報も氾濫しているため、詐欺などの被害にあう事例も多く知られています。
さて、筆者が中学生くらいのころにはスマートフォンがほぼ完全に普及し、高校時代は新型コロナウイルスが流行。このような時代に育ったので、はじめて予約や情報収集をしたのはインターネットからでした。はじめて高速バスに乗ったときもスマートフォンから予約しましたし、飛行機も、ホテルも同様です。はじめてのアルバイトもインターネットで探しました。
筆者は諸般の事情からインターネットをなるべく使わない生活を志したのですが、すると、「これって、インターネットなしではどうすればいいの?」と思うことが頻繁にありました。いままでパソコンやスマートフォンで済ませていたことを、ではインターネットを使わずに、どうやって行えばいいのでしょう?
インターネットを使わずに行う方法を集積し共有するために、このウェブサイトをつくりました。――でも、ウェブサイトですから、ネット上ですよね。
フィルタリング機能を使ってこれ以外のウェブサイトへのアクセスをできなくしたり、テキストブラウザで閲覧したり、といった状況下でも利用できるようにするため、他のウェブサイトにアクセスしなくても必要な情報を手に入れられるように設計しています(パソコンの画面を離れずに、ということではありません。追加の情報収集のため図書館や書店に行って書誌を探したり、企業や公的機関を直接訪れたり、電話をかけて質問したりする必要があります)。
このウェブサイトの記載内容は、いずれ冊子にして頒布したいと考えています。また、「クリエイティブ・コモンズ」を適用しているので、勝手に印刷して配っても問題ありません。