2026/7/7更新
インターネットが登場して四半世紀以上が経過した今日の日本社会で、インターネットを使わずに生きてみよう、と考える方はごく少数に違いないでしょう。
昔の人は口を揃えてこう言います――わたしの若かりし日と比べれば、驚くほど便利な世の中になった、と。たしかに、インターネットの登場と普及は私たちの生活を「便利」にしたことには間違いありません。その「便利」さにあえて背を向けるには、それなりの理由があるというものです。
いまでは、経済的活動(買い物や交通機関の予約、就職活動、事業の宣伝など)や行政サービスの利用などにおいて、インターネットを使うことが当たり前になっています。さらには、インターネットを使わなければ経済的活動に参加できなかったり、行政サービスを利用できなかったりすることも多くなってきました。
社会の構成員全員に、インターネットに接続した端末の保有とインターネットの利用を半ば強制するという、暗黒郷 まがいの社会になりつつある現代において、暗黒郷 化から逃れ、暗黒郷 化に抗うために、そしてなにより、インターネットを使わずに生きるための手引として、本書を著します(注:冊子として頒布する予定です)。
インターネットは、誰もが使えるものではありません。インターネットを使えない、使わない、あるいは使いたくない理由はさまざまです。
非常に低コストで多量のデータを送受信できるインターネットでは、利用者側に技術的知識がないことにつけこんで、私企業や政府による情報収集が行われています。これらの情報は人工知能で処理され、どのように利用されるのかもわかっていません。
たとえるなら、市民ひとりひとりに有能な探偵をつけて尾行させているようなものです――尾行させるというより、ターゲットに探偵を家の中へ、いやポケットの中へと招き入れさせるのです。そして、探偵が持ち帰った情報をどのように使うかは自由です。興味を持ってくれそうな自社の商品を売りつけるもよし、世論操作に活用してもよし……。